★ きゃひん。 ★
〜犬がきました 02〜


「だから、おすわりだっつんってんだろッ!」
 サンジが御飯皿片手に怒鳴っても、その犬ときたらしれっとした顔でいたかと思うと、次にはぷいと顔をそらしてしまう。
「ク〜ソ〜イ〜ヌゥゥゥゥ〜!」
 怒って犬の首根っこを掴んでぐりぐりやっても、生意気なサンジの飼い犬は少し居心地悪そうに顔をしかめてみせただけで動揺も反省もあったもんじゃない。
「おすわりったら、おすわり!」
「………」
 くあ、と思いきり欠伸をかまされてサンジはぷっつんと自分の血管が切れる音を聞いた気がした。
「駄犬があああああ!!」
 サンジの脅威の回し蹴りをゾロは素早く避けて、サンジの片手にあるご飯皿から中身がこぼれないかどうかだけ、ちらりと確認する。
「おすわり、伏せ、お手をしねえと、メシはやらねえ!」
 必殺技までかわされたサンジはかなりキレていて、子犬はしばし考え、
「………ぽすっ」
 サンジの頭に手を置いた。
「違うだろ―――ッ!!!!」
 火を吹く形相のサンジに、ゾロは飯が遠ざかることを感じ…最終手段をとった。

「くぅん」
 可愛く鳴いた。
「うぐ!」
 サンジが一瞬よろめく。
「きゅーん」
「そ、そんなカワイイ声出したって駄目だッ」
「くぅん。くぅん」
「……や、やめろォ! そんなつぶらな眼差しで見上げてくるんじゃねえ…ッ」
 サンジは動物に弱い。からきし、弱い。
 例えば動物園に行ったら驚喜のあまり卒倒してしまう程度に、そのアニマルマニアっぷりは重症だった。
 だから、子犬は自分の魅力を充分理解した上で、しつけと甘さのうちに葛藤するサンジを、小首を傾げて見つめた。
「くーん?」
「クソー!!!可愛過ぎだゾロ―――!」
 理性の糸を切らしたサンジが抱きついてくるのを、少し鬱陶しそうに見つめ、やがて満足そうに飯をかっ食らう犬がいた。



 サンジとゾロが一緒に暮らすようになって、1ヶ月。
 引きとって数日もたたないうちに、空き巣が入ったり、その空き巣をこともあろうにサンジの大事な子犬がやっつけちゃったり、しかも子犬が何故か人間になってしまったり…とあまりに凄過ぎることがあったりしたのだが、まあ上手くやってるほうだとサンジは思う。
 子犬といっても産まれて三ヶ月弱らしいその犬は、狼犬でもあり、体格も良くここ1ヶ月で飽きれるほど成長してきている。
 飯は良く食うし、サンジが大学に行ってる間にはこっそり散歩や探検に行ってるらしい。
「俺としては管理人のギンに見つかったらヤベエって必死なのによォ」
 サンジのアパートはペット禁止だ。壁は薄いし、部屋は狭い。騒音の原因にもなるし、病気があっては困るということなんだろう。そんなサンジの胸中をよそに、ゾロはいたって呑気な様子だった。
「平気だ。ギンの匂いがしたら、俺人間になるし」
 頭を抱えてレポートに向かっていたサンジは思いきりシャープペンシルを用紙に突き刺してしまう。
「うっわ…ッ! な、なんだ突然!」
「だから、管理人には見つからないよう気をつけてるって言ったんだ」
 狭い部屋が更に狭くなったような気がする。
 お気に入りの台所の床で寝ていたはずの子犬は、立派な成人男子の姿でサンジのレポートを覗きこんでいる。
(慣れねえな、どうしても!)
「人間の俺だと、お前の同居人だと思ってるからな、ここのアパートの人間は」
「お前じゃねえ!」
 ゲシと、その見事な緑頭にチョップをかまして、
「ご主人様と呼べ、クソ犬」
「クソ犬呼ばわりするやつを何でご主人様って呼ばなきゃいけねえんだ?」
 しれっと言われてサンジはまた青筋が立ちそうになるのをぐっと堪える。
「てめえ…」
「んっ!?」
 サンジは思いきりゾロの首根っこめがけて腕を絡め…俗にネックブリーカーと呼ばれる技で力任せに引きずった。「ぐ!」
 ごちんとしたたか床に頭を打ったゾロは、サンジに圧し掛かられてじたばたもがく。
「なにすんだ!」
「生意気なワンちゃんにオシオキだ、覚悟しやがれ!」
「〜っ! …ぶ、ははははっ! やめ、やめろ…ぎゃははは!」
 思いきり首根っこをまさぐるとゾロは堪え切れずに笑い出した。
 所詮人間になるとはいえ、元々犬だ。そう思考を切り替えてしまえばこんなプロレスごっこも恥ずかしいと思わない。クソ生意気そうな犬だからって、撫でられるのが嫌いというわけではないらしく、首は勿論二の腕の下や脇腹をくすぐると仏頂面が崩れて、それが何となく面白かった。
「参ったか!」
 誇らしげにサンジが言うと、ゾロがうめいて
「―――参らねェ」

 ぐるんと、世界一周。

「げっ、てめ、なに俺に乗っかってンだよっ!」
「仕返し」
「うげえっ!」
 相手は犬だ。そうやっと思えるようになったのは、やっぱりつい最近のことで…サンジが優位立てれば問題はないのだ。
 どんなにがたいが良くて、愛想のない野郎でも子犬の時のようなふとした仕草が可愛くて、ちょっと変わってるけど変な犬、で済ませることが出来る。(このあたりサンジの神経も並大抵のものではないのだが)
 しかしそれも、あくまで優位に立てていれば、の話。

 圧し掛かられた時の重量は、子犬の比ではない。
 しかもこの世界の人種には、まず有り得ない色を持っている。青々とした若竹色の髪も思わず手を伸ばしてわしわししたくなるような興味を持つし、熱に融けた飴のような色をした双眸もまず、天然ではありえない色だ。
 それにじいっと見られれば、酷く落ち付かない気持ちになってしまう。
(これじゃあ追い詰められたウサギちゃんじゃねえか!)
 だとかアホなことを思ってしまう。
「ちょ、待てッ!クソ犬! どけっ」
「クソ犬じゃねえ」
 まるで撫でるようにくすぐってくるものだから、
(〜〜〜〜〜〜!!!)
 ヤバイ。サンジは必死になってもがく。
「…ゾロ! 降りろっ」
「ん。」
 そうなのだ。
 この犬は名前を呼ぶと嬉しそうにする。
(………くそ―――!俺はどうしたら!)
 人間になった時のゾロを呼ぶのが、何だか難しくて…ぶっちゃけ照れくさいのだ。最初はあんなデカくて無愛想な人間に変わる…つまり余り、抱き付いたりかいぐりかいぐりしたら人間としてヤバイのではないか? そう思ったサンジだったが、わんこな魅力には叶わなかったわけである。
 子犬なゾロに罪はない。もっと成長すれば人間時並に精悍な、逞しい雄犬になることは予想がつくが今は多分、一番愛嬌のある時期なのだろう。
 根っからのアニマルマニアとしては、そんな、時折ながらも可愛い仕草を見せるゾロ(犬)に抱き付くなとかじゃれるなとか撫でるなとか頬擦りするなとかは拷問に近い所業。
 結果、犬なゾロの時は思いきり可愛がったり叱ったりしまくっている。

 ただ。

「これは何をやってるんだ?」
 不思議そうにレポート用紙をまじまじ見るゾロ(人間)になってしまうとどうにも…子犬の時と同じように振る舞えない。
 犬の姿だと煩いくらいにかまってくるサンジが、人間の姿だとビビったように変なポーズをとったり、大声をあげたりするものだから―――それがゾロには不思議でしょうがないらしい。
(まあ、おれの複雑な胸中を理解しろってのは………無理だよな。アホだしコイツ)

 自分と同じくらいの年頃の、背格好の、立派な男を前に犬の時と同じように扱ったら、サンジは変態かホモ扱いされてしまうではないか!

「あー…だ、大学のレポートだよ。邪魔すんな」
 押し倒されてどきまぎしたことを必死に押し隠しつつ、サンジはゾロの手から用紙を奪い返した。
「これを明日までにやんねえと単位ヤバイの!」
「タンイって何だ?」
「あー。もういいから、いいからてめえ寝てろ」
「寝るの飽きた」
(つまり、この犬は)
 サンジはまじまじゾロを凝視した。
(…かまって欲しいって言ってんのか?)

 つまらなそうに用紙をいじくっているわりに、こうやって知らないことを教えろ、と聞いてくるゾロは…なんというかその…
(クソ! わかったよ、認めてやるっ!)
 犬、じゃないゾロも―――キライじゃないのだ。
(むしろ可愛いとか思ってる自分がいやだァ!)
 悶々としているサンジを、ゾロは不思議そうに見つめてくる。
「なんだ。具合でも悪いのか」
「うるせえ。俺は人としての理性と戦ってる最中なんだ」
「変だな、お前」
「お前呼ばわりすんな、俺ァてめえのご主人様だっての!」
「ハイハイ、ご主人様」
 ゾロはシャープペンシルをいじくりながら、興味なさげにそんなことをサラリと言って、サンジを床に撃沈させた。
「…ん? どうしたんだ、お前」
「いやなんでもねえよ」
 分ったことがある。
 人間になる犬を飼うと心臓に悪い。


 ゾロが人間になるところ…あるいは犬になるところをサンジは見たことがない。
「1ヶ月、動揺のあまり早く慣れることだけ考えてたしなあ」
 すっかり、忘れてた。
 一体どうしてゾロは人間になるのか?
「おい、お前なんで人間になれるんだ?」
 そう訊ねたらゾロは少し首を傾げて、
「わからねえ」
 さくっと一刀両断された。
「いやわからねえって、てめえな」
 思わず脱力するサンジに、ゾロはもう一度考えるように視線をさ迷わせて、うーんと唸る。
「気づいたらなれてた…と思う。斬られる以前の記憶が曖昧だから、良くわかんねえ」
(……っ)
 思わず、
 指が止まった。

 ゾロの胸部から下腹にかけて、大きな傷がある…刀傷だ。
 ナイフで思いきり抉られたそれは、まだ、真新しい傷痕で今も時々引き攣るらしく、ゾロは動きにくそうにしている。

 以前の飼い主にやられたというのは、ゾロを預かっていたペットショップのオーナーから聞いた話だ。
 何となく、ゾロ自身に尋ねることが出来なかったことをこうも淡々と言われれば、憐憫の感情がじわりじわりと湧いてくる。
(クッソ!俺のゾロにヒデェことしやがって!!)
 とか本気で憤然としていると、ゾロがまた思考の海に陥ってしまったらしいサンジをまじまじ見て、
「おい」
 と声をかけてくる。
「なあ、大丈夫か?」
「んああっ!?」
 思いきり仰け反ったサンジを心配そうにゾロが見てくる。
「うわ! んなっ! んっ!」
「……”げんごしょうがい”か?」
「なんでそんな単語知ってんだ!」
「テレビで見た」
 頭の悪そうな緑頭のくせに、“言語障害”だなんて使ってくるあたり小生意気である。
(おれも段々感化されてきてるしな)
 普段は子犬で、ふとした拍子に自分と対して変わらない年頃の、体格の立派な人間になることの異常さを忘れつつある自分が怖い。
(俺のゾロとか思っちゃった…)
 まずい、まずいを心の中で連呼して自分に言い聞かせる。
「あー。とりあえず、だ。俺ァてめえの種族をリストアップしてみた!」
 大学の図書館を漁って集めた資料を差し出すと、ゾロはきょとんとそれを眺める。
「どうだ! すげえだろ!」
「すげえのかもしれねえけど」
 無表情のまま、積まれた本とファイルを見つめて、ゾロはきっぱり言うのだ。
「てか、俺読めねえし」
「あ」

 …沈黙を置いて、サンジは笑顔でいった。

「俺が読めばいいだけの話だろ? そんな、俺が可愛い飼い犬にてめえの正体を調べろ、なんて言うはずねえじゃねえか! なっ!!」
「いや、思ってただろ、それ」
「…まず、神話・民話系から調べていくとだな」
「聞いてねえだろ」
 ゾロの淡々としたツッコミをなあなあな笑顔でかわしつつ、サンジは一番上の本を手に取った。
「一番近いのっつったら―――やっぱ人狼ワーウルフじゃねえかな、と思うんだけど?」
「ワー・ウルフ?」
「そっ。まあ狼男ってトコだな。あとはライカンスロープ…狼憑き。
 …ただ、お前と違うのが…こいつらは夜になると人間から狼、あるいは半獣に変身して、その後は大抵人間の理性が失われるってことになってる。銀で作った銃弾に弱いとかは、良く聞く奴だな。
 生粋の人狼じゃねえ、狼憑きは変身してる時の記憶がなかったり、他の狼に噛まれてなっちまったりするんだと」
「へえ」
「―――ところがどっこい」
 そこで溜息をついて、サンジは呑気に煎餅を齧る愛犬を見つめた。
「てめえは人間になるときゃ完全な人間、犬でいるときは完全な犬ときた! 月に向かって吼えることもしなきゃあ、夜暴れ出して人を襲うことも考えねえ。ゾロ、満月を見た感想は?」
「丸い」
「…結構だ。聞いた俺がアホだったぜ、ベイビー」
「で、俺は人狼なのか?」
「さあなあ。犬人間かもしんねえけど」
「いぬにんげん」
 3枚目の煎餅に手を伸ばしかけていたゾロは、途端に渋面になる。「なんかすげえ…その…」
「安易だって? 名称がつくときなんざそんなもんだ」
 人間様らしく鷹揚に微笑んで煎餅を奪ったサンジは、ばりばり音を立てて煎餅を噛んだ。
「てめえが自分の種類に興味があるんだったら、今度レンタルビデオ借りてきてやるよ。
 『怪物くん』。楽しいぞ?」
「かいぶつくん?」
「うぉ〜でガンス。なんちて! ぷっ」
 一人で爆笑し始めたサンジを不気味そうに見つめて、ゾロは本に描かれた挿絵をばらばらとめくった。
 下半身に薄汚い布を巻きつけて、牙と爪を剥き出しに、月に向かって吼え猛る二本足で立つ狼男。
(わかんねえな)
 はたしてこれらが本当にゾロの種族なのだろうか、いまいちピンとこないのだ。
 ゾロはこの…『狼男』と呼ばれる半人半獣の形態にはなれない気がする。
(けど、犬ンときと、人間。これには、どっちにもなれるんだよな)
 一呼吸置くだけで、ほんのすこし、びりりと痺れを感じただけで、手足がすらりと伸びて四本足での歩行から二本足で歩けるようになる。
 前足でしかなかったそれの指が伸びて、手となって、物を上手く掴めるようになる。
 スイッチが切り替わるようなものだろうか?
(でも、こいつは俺を捨てなかったな)
 曖昧な記憶の中で、期待をしても意味がないと…本能が訴えているのだけはわかった。
 以前の主人が狂ったようにナイフを斬りつけてきたときも、産まれた時も、サンジに逢うまでの記憶はどうにも靄が掛かっていてわからない。
 期待をするな。俺は独りで生きていかなければならない。
 そう思っていた。撫でてくれる手は何だか懐かしいとは思ったけれど、その手もいつか自分を突き放すのだろうと思ったがそれが寂しさなのか諦めなのかは、今も、よくわからない。

 サンジはまず、人間の姿のゾロを『ゾロ』と認識しなかった。
 大抵の人間は自分の常識外に起こる出来事を否定するから、仕方がないことだと思った。
 説得して、無理だったら出ていこう。
 そう思ったのに……本当にサンジの知る犬の『ゾロ』が人間になるとわかったら、混乱しながらも命じたのだ。「いいからとっとと帰ってこいっ!」
 変な人間だと思う。
(そうか、フツウの人間じゃねえんだ)
 ゾロがフツウの犬でないように、サンジもフツウの人間じゃないのだ。
(しかも一ヶ月近くも俺の正体に疑問もたねえで暮らしてるし)
 今ごろになってようやく、種族探しだ!なんて資料をかき集めてる主人がおかしくて、面白くて、ゾロは興味ありげに彼を見つめる。
「…仕方ねえな」
 妥協は必要。歩み寄りも、必要なのだと思う。
 だからゾロは狂ったように煎餅を齧ったのち、喉が渇いて台所に立ったサンジの後を追った。


「んっ。なんだ、ゾロ。てめえも茶飲むか?」
 煎餅食う犬だしなあ、なんてサンジが笑うと、ゾロは神妙に頷き、
「あのな、おれ」
「何だよ…すぐ淹れろってのかァ? 駄目だねえ、『待て』もできねえ犬は!」
「…出来るぞ」
「あァ?」
 不意に唇を真一文字にして、ゾロは突然サンジの前にしゃがんだ。
「…へ?」
 というより、
 (ひざまず)いた。
「これが『おすわり』で…」
 まるでかしずくように頭を垂れた男にサンジは慌てた。
「ちょ、待った! なんかてめえのそれは違う気が…!」
「これが『伏せ』だろ?」
 そうしてうやうやしく頭を下げたゾロはゆっくり顔をあげ、その透明な金の双眸でじいっとサンジを見上げる。
「『待て』―――で、これが…」
 サンジの片手をそっととる。「『お手』だ。―――完璧じゃねえか」

(ていうか)
 サンジの思考はショートしていた。
(これって)

 まるで、王女様(プリンセス)にひざまずく騎士(ナイト)のようではあ〜りませんか?

(うわー。倒錯的ィ!)


「ンギャアアアアア!!!」
 思いきりゾロを蹴り飛ばしてサンジは絶叫した。
「てめ、てめえ! なに、な、なに、な」
「え」
 サンジの動転の原因が己にあるともつゆ知らず、ゾロは逆に戸惑って立ちあがる。
「なんでだ? 『おすわり』、『伏せ』、『待て』、『お手』…ちゃんと出来たはずだぞ?」
 不安そうにゾロはおそるおそる、言うのだ。
「……なにが間違ってるんだ?」


 うるさいほどに繰り返すが、
 サンジは根っからのアニマル狂だ。
 特に犬猫にからっきしの弱さを発揮する。それはもう、体質といってもいいほど、長い歴史の中で人間に付き添い、愛玩されてきた素晴らしいバートナー達にめちゃくちゃラブを感じてる。

 確かに今のゾロは図体もでかくて目つきもガラも悪い人間…しかも男…だが、そんな風に唐突に、不安さを見せられるとはっきりいって、
(か、かわい…)
 ぶるぶる震えながらサンジはしかし、必死に理性と戦った。
(まて、でも、いや、今のゾロは人間だし人間だししかも男だしてめえの同じくらいの体格の男をしかも自分よりがたいいいでやんのクソ野郎むかつくぜでもちょっと可愛いとかときめきを覚えちゃったのも事実で抱きしめてかいぐりかいぐりしてまさぐって撫でてキスの嵐を降らしたら…)

 俺は変態じゃねえか!!!!

「ゾロ、今すぐ犬モードになれ!俺の理性があるうちにぃ!!」
「…は?」
「早くしやがれってんだ!!」

「………」
 ゾロは自分の頭を掻き毟り空中に手を伸ばしては引っ込める主人を見つめ、
(…やっぱり主人を間違えたか)
 とかしみじみ思ってしまう。
 犬と人間の切り替えは、ゾロにとっては呼吸するより簡単で不自然ではない。
 アホのようにもがく人間が目をそらした瞬間、犬に戻って…とりあえず暴れるそいつのエプロンを前足で引っ掻く真似をすると、サンジの目の色が変わった。
「ぞ、ゾロ〜ん!!!」
「きゃひんっ!!!」
 思いきり抱きしめられて頭を押さえつけられ、鼻っぱしらに、目許にキスの襲撃を受けてゾロは必死に犬掻きしてもがいた。だが、がっちりホールドされた腕は、細いくせに妙な力があって振りほどけない。
「もー!お前最高!!俺のゾロ〜っ!!」
「わうっ! きゃひん、きゃひん!!」
 サンジの地獄のヘッドロックは、叫び声を聞き付けた管理人のギンが慌ててドアを叩いた瞬間、ゾロが人間に戻るまで続いた。

 人間になる犬も、飼われると大変なんです。
 いや、マジ。




■に、二個目かいちゃった…(照)
■というわけで(U・ェ・U)←わんこ?続きです。クソー、パラレル楽しいなあ。
■ゾロがなんで犬人間(この言い方いやだなあ)なのか結局分らず、アホな話で終ってしまった…。

■ていうかゾロサンになってて自分でも吃驚!(え)

■ていうか最後のほう決してサンゾロじゃないことは公言しておこうかなと!!(ええ)
■一番の疑問が…これ…続くのかしら…どうなのかしら…
■キリバンリクエストにきたら多分一番書きやすいであろう作品、とだけ明記しておきましょう!(弱)うわーん。ほんとこれ続くの?続いちゃうの!?どうなの!?
■教えて、サンジさーん!(逃)

02/05/12
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