★ きみはペット? ★
〜犬がきました 12〜



 お揃いの合鍵は、ゾロの首にいつもかけてある。
 犬モードの時は鎖に繋げてあって、なくさないようにしているのだ。

 もうとんでもなく幸せかもしれない。ふにゃふにゃした頭でサンジはそう考える―――だって。
 ゾロが喋った。
 いや、ゾロは喋るけど。普通に前から喋るけど、

「―――ロロモードで喋った…」

 なんてこった! 犬専用翻訳機なんて目じゃねえぜ、ドラ◎もんの翻訳コンニャ〜ク〜ぅより凄いじゃねえか。
 可愛い可愛いサンジの犬が、犬の姿でお喋りをした。それはどう考えても愛想のかけらもない、低くて通りの良い男の声ではあったけれど―――まさか犬の姿でも会話が出来るようになるなんて。
(夢、みたいだあ)
 ほわんとするのだって無理はないはず。
 ペットと暮らしている人間なら一度だって「気持ちを知りたい!」って思うんじゃないだろうか。
 わんわん! とか、にゃーん、とかぴよぴよ〜なんて言われたら、あ、もしかして今自分に喋りかけたのかもなんて―――都合の良い解釈かもしれないけれど、可愛い仕種でそんなふうに鳴かれたらどうしたって知りたくなる。

「おい、クソコック。天気予報はじまったぞ」
 朝食を作っている間大人しくテレビなんか見ながらゴロゴロしてた犬が、お天気お姉さんの声に片耳をあげて反応し、てってって、と爪を鳴らして台所に顔を突っ込む。
「こう水かくりつ、40ぱーせんと、だと」
 ふんふんとサンジのエプロンに鼻先を突っ込み匂いを嗅いで、お、今日は稲荷寿司か、という子犬の頭を撫でて、本当に鼻だけは利くんだからよぉなんて言いながら菜箸でほうれん草の胡麻和えをちょっとおすそ分けしてやったり。
 犬にあげていいのかな〜なんて思ったりしない。所詮雑食、そしてなによりサンジのごはんにすっかり餌付けされてしまった犬人間・ゾロである。
「うめえか?」
「うめえ」
 もぐもぐと頭を動かしていたゾロは、再びテレビの前にてってって、と戻っていく。素っ気無いお返事ではあるが、尻尾が御機嫌のように振っているから―――この味付けが気に入ったらしい。
「ゾロ、早く皿並べろよ」
「おう」
 そう返事がかえった瞬間子犬は体格のよい男の姿でこっくり、うなずいているのだ。

(たまんねえ〜〜〜〜!)
 もう、くーっ! って気分だ。ガッツポーズして、もうシアワセですいません! ってヘラヘラ笑い出したい。
 時折自分の姿を思い出しては「ウヒャア〜ッ!」と照れくさくて恥ずかしくて耳朶まで真っ赤になるけれど、それでももういい感じだ。嬉しすぎる。
「どうした」
 お茶碗を持ったままぽーっと口を半開きにしたアホ面…いやいや、ちょっと呆けていたご主人様を気遣うのも、愛犬のつとめである。有名な犬のキャラクターがプリントされたエプロン…イヌーピーだったっけか、ゾロは良く覚えていないが…それを着用してどこかネジが緩んでしまったような顔でいるご主人様が、ちょいとばかし心配になった。ゾロ、は。
 サンジの腕と、わき腹の隙間を狙ってずぼっと頭を突っ込んだ―――犬モードなら、なんてことない自然な行為だ。甘えでもあるし、かまってほしいとの合図でもある。また、主人が心配になったときの気を使う意味だってあるかもしれない。大の男が仏頂面でそれを行えば、ちょっとしたホラーである。…一般人から見たら、のはなし。
 途端、ぽわっと頬骨のてっぺんを赤らめたサンジは、なぜか瞳を潤ませる。感極まったとき目頭が熱くなってしまうのだそうだ。サンジはひたすら可愛いものに弱い。特に、犬という種族にからきし弱い…だからこそ、愛して愛して愛しちゃって愛しちゃったのよなそれを目の当たりにすると泣き出してしまいそうなくらい愛情が爆発するのだそうだ。可愛くて可愛くて、可愛さのあまり吐きそうになると言われて、ゾロは一度吐瀉物を恐れて退避したことがある……まあ、それも過去のこと。
「ゾロ」
 サンジの目は贔屓の目。そしてマイワールド全開な目である。
 そこに映るのは仏頂面の野郎ではない、可愛い可愛いゾロなのである。サンジが愛情を注ぎまくっているわんこなのである。
「ゾロぉ〜〜〜〜〜っ」
 がしいっと頭をホールドされ、うお、とゾロは仰け反った。しまった、このままだと落とされる(勿論、意識が)と思った瞬間腕が勝手に動いた。そのまま問答無用で抱きシメようとするサンジの腕を引き寄せ、身体の下に引く―――とじゃれあうようにして畳の上に大の男二人分の体重が圧し掛かって、
「わ、」
 畳だって年代物だ。穴を開けたりしたら大変である。古びた畳はスプリングのように軋み、しなった。
「おい、コラ。畳つきぬけちまったら」
「ギンが怒る」

 鼻先をくっつけてくるのは服従の証。
 ―――そしてなにより信頼の証。

 それは、犬モードな時の、ちょっぴり湿った鼻先ではない。すうっと通った鼻筋の、自分と同じ鼻ではあるけどこれだってゾロだ。
「―――そーだ。ギンが怒る。管理人は怒らせちゃなんねえぜ。追い出されたら大変だろ」
 きゅっと首に腕を回して、ぐりぐりおでこをぶつけるとゾロはくすぐったそうに目を瞑った。
 鼻をくっつけあってしばしじゃれ合って、サンジはちょっと感慨深そうに溜息をつく。
「おまえ、重くなったな」
「今は『人間モード』だぞ?」
「ああ。『犬モード』でもそうだけどよ、なんか、肩らへんとかがっちり………筋肉?」
 たしたしっと肩を叩かれて、そうかもしれねえが、そうでもねえ、とゾロは思う。
「バイトサボっちまったからな、ちと鈍ってる」
「ははは、筋肉マリモ」
 酒屋のバイトだけじゃあこんなに鍛え上げられないだろうとは思うのだが、なんせ軽トラくらいなら軽く持ち上げられるくらいの怪力である。またビールケース五段積みとかをひょいひょい持ち上げては勝手に筋力トレーニングでもしていたのだろう…それにくわえて栄養価の高いサンジの食事である。
(やれやれ、可愛げねーもん作っちまった!)
 そう思いながらも、健康的なゾロの身体を作ったのは自分だと自負してやまないサンジだ。
 得意げに顔を輝かせたご主人様の心情をさとって、ゾロが唇の端を持ち上げた…時間、である。
「遅刻すんぞ」
 黄色い頭をぽんぽんしてやると、サンジは不て腐れた顔でしぶしぶ立ち上がった。覆い被さっていたゾロは一瞬早く身を起こし、小さなちゃぶ台の前に座る。

 まるで反動を起こしたみたいに、サンジはスキンシップを取りたがる。
 前まで人間モードでじゃれあうなんて、と、目を白黒、顔色も白黒させていたのに、今は盲目的に―――なんだか、ゾロにべったりする。
 よっぽどショックだったらしい。サンジの何気ない拒絶が、ただ一言が、ゾロを。
 人間のゾロを、一時的とはいえ消してしまったということ。
(俺も自覚なんてなかったしな)
 サンジが言った、その事実に従ったまでのことだ。こいつはどうしてもだめなのだ。犬のロロなら安心して甘えることができるのに、人間のゾロ相手だとぎくしゃくしてしまう。いつものペースが保てない、途方にくれる…それが、ゾロには怯えているように見えた。
 変化を拒む眼差しを、彼は知っているような気がする。
 ずっと、ずっと昔に見た目だ。
 我に返って慌てふためくんじゃねえかって程サンジはゾロを放さない。それが、尻尾のあるときでも、ないときでも、おんなじくらい傍にいたがる―――。

 孤独を怖れるだけだと、

(…ッ)

 それで手中に閉じ込めておくだけの

(―――クソ)

 ぶんぶんと頭を振ったゾロを見て、ん? とサンジが小首をかしげた。
 この仕種は元々ゾロが小犬の頃からやっていた癖だけれど、サンジにもすっかりうつってしまっていて、それが友人達の間でひそかに可愛いといわれていることも、サンジ当人は知らないのだろう。
「なんでもねえ」
 変な耳鳴り…というか…声、が脳味噌の中でぐるぐるする。
 そんなこと、言ったら最後血相を変えてサンジはゾロをビョウイン…病院、だ、もう漢字だって発音だってバッチリである…に連れていくに違いない。この場合は医大がいいのかっ、それとも、動物病院なのかっ、ああ、でもでも、一歳未満だから…こどもクリニックなのかっ? とパニくるに決まっているので、小犬は黙ってご飯をかきこむ。
「今日はお前もバイトなのかよ」
「おう。飯は食う」
「じゃあ今日はスキヤキにしてやる」
 お祝い事だとスキヤキするのが伝統なのだそうだ。良くわからないが、サンジが嬉しい=お祝いごと、なら、ゾロも嬉しい。
 このちょこっと…いやかなり…動物に関しちゃ気狂い起こすようなほっとけねえご主人様が、ニコニコ笑ってるんならそれでよし。
 ベランダの隅でちょこちょこと揺れたピンク色の帽子を眺めながら、ゾロは遅刻するなよ、と自分のほうを向いて機嫌良さそうに笑っているサンジにバッグを渡すのだ。



「ゾロ」
「おう、チョッパー」
 去年の暮れに、このふしぎな友人は…ひと…ではないのかもしれないけど…とにかく、突然ゾロの前に現れた。
 トニートニー・チョッパーと名乗ったトナカイは、ぺたぺたとゾロの身体をひづめでさわり、よし、とうなずく。
「うん、健康だな。最近調子はどうだ? なにか、かわったことないか?」
「変な声が頭ン中で聞こえるな」
 驚いたことにこの人間トナカイ、(トナカイ人間、ではないそうだ)医者だという。
 サンジに言ったらパニックに陥るであろうことも、なんだかゾロのことを知っているらしいトナカイ相手だと素直にゾロは白状した。曰く―――妙なオッサンの声が聞こえるのだ、と。
「11ヶ月」
「あ?」
「テンコウが…おまえが、ゾロ、として生まれてから11ヶ月だろ」
 来月で12ヶ月、丁度満一歳を迎える。
「ゾロは人間でいったら19歳くらいなんだ」
 ゾロの手のひらをひっくりかえしたり、脈をはかったり、忙しなく動きながらチョッパーはいう。
「ひとつきに、一歳、って考えてくれていいよ。だから、来月は人間で言う…成人式、かなあ」
「知ってるぞ」
 テレビで見た。先月やっていたのだ…派手な布を何枚も重ねた若い連中が、獣の毛皮をまとって街中を練り歩くアレだ。
「…ちょっと、違うけど」
 チョッパーは真円の瞳をぱちぱちさせて、まあ、民族衣装を着て成人を祝う儀式だよ、と物知りなトナカイは笑った。
「シンジュウは満一歳を迎えてそこできちんとカクセイするから、多分そのゼンチョウが起こってるんだとおもう。
 今はわけわかんないかもしんねえけど、血が覚えてるから大丈夫だ。ゾロの傍には契約者もちゃんといるみてえだし、おれ安心だ」
 エッエッエ! と笑ったチョッパーに、そうだな、わけわかんねえ、とゾロは頷く。
 わけがわからん。
 最初からこのトナカイの言うことは全くもって、ゾロにはとんちんかんなことばかりだ。
 でも―――わけがわからないのは自分自身でもある。いったいなんちゅう種族なのか、オオカミニンゲンとかいうアレなのか、しかしチョッパーのいったテンコウ…という単語に漢字をあてると、なんでかどうやら天狗になるらしい。
 サンジに言わせれば天狗は、テング。鼻の長い種族―――……ウソッ、プ?
「チョッパー。来月わかるんだったら聞いても無駄かもしれねえが、シンジュウってのはなんだ」
 ゾロの知ってるシンジュウ、は、
 土曜サスペンス激SHOW、略してドサスの「心中」だ。ウキワした男女が滝壷に身投げしたり、車のまま埠頭から海へダイビングしたりするアレなのだ。
「俺はウキワする予定はねえんだが」
「浮き輪? ゾロ、泳げねーのか」
「いや、犬掻きもバタフライも得意だ」
 もしウソップがこの場にいたら力の限り切れ味鋭いツッコミをいれるであろう全く会話の成立していないやりとりがなされたところで、どこかボケたところのあるチョッパーはまあいいや、と大らかな気持ちで説明することにした。
「シンジュウは人間の言葉で、神の獣って書く。こころの獣、で心獣ともいうみたいだな。ずうっと昔は神さまの獣、って意味だと思われてた。けど今は、神あらざる獣って意味だ」
「よくわからねえ」
「簡単に言えばゾロみたいに言葉が喋れる獣だよ。それが神獣」
「テンコウは?」
「テンコウは、天狗だ」
 ボールペンを蹄で器用にはさみ込んで、チョッパーはスーパーの赤インク一色刷りの新聞折り込みチラシの裏に器用に字を書いた。新聞はお金がかかるが情報が手に入るしなによりお買い得品のチラシが入ってくるのがいい。どんなに貧乏でひいひいなときもサンジは新聞をとることをやめない。
 「神獣」と「心獣」のあとに「天狗」という漢字を書かれて、ふむ、とゾロは頷いた。
「その字は、テングって読むと聞いたぞ。テングってのは鼻が長くて赤い顔して羽根があってつまりウソップだ」
「うそぷ?」
 もしサンジがこの場にいたら全身全霊でもって破壊力のあるツッコミを(以下略)な感じで、つまりこの半分トナカイと半分わんこは、マイペースな性質であった。些細な疑問は気にしないで、まあ、いいか、と大変広い度量でもって受けとめる。
「ウソップは赤くもねえし羽根もねえが…まあ俺ァテングじゃねえ。なんせウソップみてえに鼻が長くねえ」
「へえ、テングってまだ生き延びてたんだなあ。でも、ゾロの言うテングと、おれの言うテンコウは別物だよ。
 テンコウとテングはたしかに同じ字を書くみたいだけど、テンコウ、のほうは天の狗だ」
「天の?」
「あまつ、きつねのテンコウ。きつねって呼ばれたり犬ってよばれたりするけれど、姿は猫のようでもあるし、狸にも似ている。翼があるなら鳥でもある。勿論狐でもあるし、狗(いぬ)でもある。
 うーんとにかく、天のイヌ、で天狗だよ」
「てんのいぬ、ってのは普通のイヌと違うってことか」
「違うだろ?」
 くりくりした目でトナカイは上目遣いにゾロを見上げた。
「だって、普通のイヌは人間の姿に変化したりなんかしねえぞ」
「まあ、そうだな。変化ってことは、俺ァつまり」
「元々は狗だ」
(―――そうか)
 なんだか、ふしぎにしっくりする。
 ゾロは元々―――やはり、わんこなのだ。
 獣の割合が強いから風呂が嫌いだ。さんぽが好きだ。よくわからねえ「ひーと」が起こる。
 ご主人様の命令に従って声を封じ、姿を封じる。
「おまえ、ちょっと変わったかもしんねえ」
 チョッパーはじっとゾロを見詰め、口を開いた。
「おれが知ってるテンコウと、今のゾロはなんか違う。まだ満一歳のカクセイを迎えてないからかもしれないけど…なんか面白い感じだ。ニンゲンにふつーに飼われて、馴染んでる。面白え」
「普通に飼われて馴染んでるのは、変か」
「前のテンコウなら変だ。でも今のゾロならおかしくねえ」
「―――テンコウは人間に飼われねえもんか」
「飼われるっていうより、憑くもんだ」
 憑く、という漢字が難しい。あとで辞書を引かないとわからない―――それかサンジに聞いたほうが早いだろうか?
「神獣はひとに憑く。ひとの血に憑くっていうのかなあ、守護する人の子が天寿を全うするその日まで、その血が最後の一滴絶えるまで、自分に一番近い姿の獣になってずっとずっと傍にいるって、おれはドクトリーヌに教わった。
 ゾロ…。ごめん、おれ、伝えようか迷ったんだけど。でも、鷹とか狐とか、いろんな神獣が動き出してるから心配で、だから言う。

 ゾロが本当に憑く人間の血族は、たぶん…このうちの、サンジってやつじゃないんだ」

 黒髪、金髪。―――黒髪。
 斬られる。
 ―――約束。

 一瞬だけ目を見開いて、また無表情に戻ったゾロを見つめながら、困ったようにチョッパーはひづめを鳴らした。
「変だなって、思ったんだ。神獣天狗のお前がどうして自分の種族とか、覚えてないんだろうって。
 幼いときの神獣は本当にふつうの獣の仔とかわらないから、そのときだけは守護してもらう人間に逆に守ってもらわなきゃいけないけれど、すぐに言葉も話せるようになるし、人間の姿にもなれる。半年経てば生涯守護する人間を決めるし、一年も経てば覚醒して契約をかわす。
 お前の憑く血族は、いま、虎がかわりに憑いてる。それに近くにコー…天狗の眷属を憑けてる人間もいる、最近このへんはすごく―――獣の匂いが強い。びっくりした、こんなに神獣が一ヶ所に集まるなんて…分散して交わらないのが神獣のはずなのに」
「チョッパー」
 忙しなく口を動かす小さなトナカイを遮るように、ゾロは口を挟んだ。
「お前の言ってることの半分もわからねえが、今更飼い主を変える気はねえ」
「うん。おれは、今のゾロがすげーいいかんじで、いいとおもう。
 サンジってやつはちょっとなんか、おっかないけど、ゾロのことすげーだいじで、すげーだいすきなんだなってわかる。ゾロが選んだ、ゾロの契約者にぴったりのやつだ。犬がだいすきだ〜って、ゾロがだいすきだ〜って聞こえてくるぞ!
 でも、もうたぶん、他の神獣はみんな知ってるんだ…おれもドクトリーヌのところに入ってきた『迷子の天狗発見』っていう一報を聞いてビックリして、でもって内緒でゾロに逢いにきちゃったから―――あ、おれ言ったか? おまえ、迷子だったんだ。ゆくえふめいってやつだぞ。まあ、覚えてなくても…エッエッエ! いま、しあわせそうだからいいとおもうんだ!」
「お前の言ってることは、本当によくわからねえ―――わからねえけどよ、ありがとうな」
 ぽんぽんと帽子の上から叩くと、よせやいとチョッパーが恥らう。
 こんなぬいぐるみみたいな可愛い生き物をサンジが発見したら、奴は発狂するかもしれない。
「チョッパーの言ってることを、俺が理解できるのは来月か」
「そうだ。お前が生まれた日にわかる。いつ、産まれたか覚えてるか?」

「三月―――」

 ああ、





 桜が吹雪いていた。









「二日。三月、二日だ」

 チョッパーの拙い説明ではわかりにくいけれど、なんとなく―――そうだ、これは予感であり、確信だ。
「―――あいつの飼い犬でいられねえかもしれねぇな」
 目を瞑ると、大きな鳥のはばたきが聞こえた気がした。




◎伏線自分でも忘れてました(真顔) 佳境佳境ギャッギャッ
◎まあ当初の予定と違うけど気にしないよ!(・∀・)/

04/05/26
▽・ェ・▽

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