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今日も、みんな平和です。




 ある日♪ ナミさんが♪




 サンジは見ていた。
 じっと見ていた。

「ナミー!ナミナミナミナミナミナミ!!」
「何よルフィ。そんな大声で何回も呼ばなくても聞こえるったら」

 その視線の先には、蜜柑畑で戯れるルフィとナミの仲睦まじい姿。

 ……あれだ。

 いつもいつも適当に返事をして適当にあしらってくれる男。
 ロロノア・ゾロ。
 ヤツをこちらに振り向かせるためには、あの方法しかない!!
 小さくガッツポーズをして勢いよく踵を返す。
 レッツチャレンジ!!



 標的、確認。
 ロロノア・ゾロ一名。サンジは甲板でぼうっと海を眺めているゾロの背後に忍び寄った。
「お、おい……」
 口の中でもごもごとつぶやく。当然、相手には聞こえていない。
「おい!」
 今度はもう少しだけ大きな声で呼びかけた。
 聞こえているだろうに、相手は振り向かない。おい、と呼ぶ相手など知ったことか、という態度だ。
「うー……」
 サンジは覚悟を決めた。うー、と三回唸ってからぐっと顔を上げる。
「おい、ロロノア!!ロロノアゾロ!!」
 ……反応なし。ベイベー。
(いや、まだだ!!)
「ゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロ!!!!」
 連呼した。
 呼吸の続く限り連呼した。


「うるせえ」


 撃墜しました。


「うわああああああああああああああああああああああああああん!!!!!!!!!!!!!!!!」



 哀れサンジ。泣いて逃げる。




 ある日♪ ナミさんが♪




 サンジは見ていた。
 じっと見ていた。

「なあなあナミー」
「何よ邪魔しないでよ」

 その視線の先には、海図を描いていたナミの背中にべったりと張り付くルフィに仲睦まじい姿。

 ……あれだ。

 いつもいつも適当に返事をして適当にあしらってくれる男。
 ロロノア・ゾロ。
 先ほどは失敗したが、まともに相手してもらうためには、あの方法しかない!!
 小さくガッツポーズをして勢いよく踵を返す。
 レッツチャレンジパート2!!



 標的、確認。
 ロロノア・ゾロ一名。サンジは男部屋で剣の手入れをしているゾロの背後に忍び寄った。
「…………」
 どきどきどき。心臓がやけに高い音を立てる。
 一歩一歩、気配を殺して近づく。そんなことはこの気配には敏い男にはとっくに気付かれているのかもしれないが、そこはそれだ。
 機をてらい、歩みを進める。

「今だぁ!!」


 がばっ!!!!


 どすん、と音を立ててゾロが床と顔をくっつけた。
「…………」
「…………」
 重い沈黙が部屋中を支配する。
 背中に抱きついた勢いで、サンジの重みがゾロと床をキスさせてしまったのだ。直前にサンジが足を躓かせて転んでいなければ、これほどの勢いで飛びつきもしなかったものを。
 床に広がる血溜まりは……鼻血だろうか。


「わ、わるううううううううううううううううううううううううううううううううううううい!!!!!!!!!!!」


 容疑者サンジ。叫んで逃げた。




 ある日♪ ナミさんが♪




「……いい加減応えてあげたら?」
 背中にルフィをくっつけたまま。ナミがつぶやく。
 キッチンのテーブルに頬杖をついて、ちっとも進まない海図を目の前にして。しつこいようだが背中にはルフィをくっつけて。
 だがその言葉を投げかけたのはルフィ相手にではない。
 鼻血を止めに来たロロノア・ゾロに対してだ。
「わかってるくせに、あんたって男は」
「……お前が言うな」
 タオルを水で濡らしてゾロが肩をすくめた。
「何よ楽しんでるくせに。名前呼んでも何しても、応えてやんないのは楽しいからでしょ?適当にあしらうのは反応が見たいからでしょ?言葉一つ態度一つで一喜一憂する様を見るのが楽しいからなんでしょ?」
「お前は心理学者か」
「航海士よ」
「なあなあ何の話だ?」
 ナミの背中からルフィが首を傾げて尋ねるが、誰も反応しない。拗ねてふくれたルフィの頭をナミが軽く撫でると、満面の笑みを浮かべて機嫌はすぐに直った。
「お前も反応が楽しいからストーカーまがいの行動も黙認してたんじゃねぇのか」
 そう、ナミは知っていた。
 日頃からサンジが、ルフィとナミの行動を逐一チェックしていることを。
 あまつさえ、その観察から導き出された『つれない男を振り向かせる方法』を、ゾロに実践していることも。
「……なんかだんだん可哀想になってきて」
「…………」
 哀れみというより疲れ果てた声音にゾロが恐ろしく沈黙した。
 同感、に近いものもあったかもしれない。
「私が、ルフィの相手するようになったのもそのへんが原因よ。そのうちあんたも落ちるんだからね」
「…………」
「ちょっと聞いてんの?」
 いつまでも口を開こうとしないゾロにナミの声が怒りを帯びた。
 だが見上げた先にあったゾロの不敵な笑みに言葉をなくす。


「――――まあ、そのうちな」


 そう一言だけ残して部屋を出たゾロを見送り、ナミがため息をついた。
「あーあ。サンジくん可哀想」
「サンジがなんでかわいそう?」
「あんたは気にしなくていーの」
「なんだよおれは仲間外れか!?おれにだけ教えないのかナミ!」
「違うわよあーもう。わかったから」
 ぎゃあぎゃあと耳元でわめかれてはたまらない。きょとんと目を丸くしたルフィに、微苦笑を零す。


「何、しよっか?ルフィ」








「おい」


 十年に一度あるかないかのことに、夕食用のジャガイモの皮を甲板で剥いていたサンジは目を大きく見開いた。
 ゾロが。
 ロロノア・ゾロが、自分から声をかけてくるなんて……!!!
「手伝う」
 ぶっきらぼうに告げたゾロは、きょろきょろと辺りを見回した。
「……剣でいいか」
「けけけけ……剣で芋剥くなよ。くいもんだぞ!?」
「そうだな」
 言いながら、ゾロはサンジの右手に手を伸ばし、包丁を握って意外に器用にじゃがいもの皮を剥き始めた。
「…………」
 それをそわそわと落ち着きなく眺めてからサンジは懐から包丁をもう一本取り出した。
「……危ねぇぞ」
「え、そうか?」
「……いいけどよ」


 しょりしょりしょりしょりしょりしょり。
 しょりしょりしょりしょりしょりしょり。


 二つの音が、夕焼けの空と紅い海に響く。
 二人はじっと、沈黙を保って。


「……なあ」
 やがて、ゾロがその沈黙を破って声をかけてきた。
 サンジの心臓が跳ね上がる。何だろう何だろう何だろう……!!!
「夕飯、カレーがいい。お前特製の。いつも作ってるアレ」
「……カレー?」
「アレは結構、俺は好きだ」
「!」
「じゃがいもくらいなら……」


 目線は、手元に注がれたまま。
 サンジの方を見ないけれど。


「じゃがいもくらいなら、いつでも剥いてやるから、作れよ」


 でも、この、言葉は。


「……………おうよ」


 涙が出るくらい、嬉しい。




 夕焼けと夕凪の海に、しょりしょりと小さな音が二つ、響いていた。








「ああいうのを、扱いやすいって言うのよね」
「誰のことだ?」
「あんたのことよ」
「おれか」
「そうよ。あんたよ」
「ふーん」



「だから、大好きよ」




 今日もみんな、平和です。


■ロロだ―――ッ!(絶叫)
■はあはあ、失礼しました。
■妹ゆきのおうちで44444HITを踏み損ねました。泣きました。妹はアホな姉ちゃんを見て不憫だと思ってか、カウントリク受けつけてやるよといってくれました。
■お姉ちゃんは感謝しつつもためらいもなくいいました。
■「ルナミゾロサン書け」
■彼女のロロは本当にサンジを思うがままに操作しててにくいあんちくしょうです。でもかっこいい。惚れる。策士ゾロ!頭の良いゾロ!ありえねえ!!(暴言)だけど好き!時々ぬけてることとか1分話さないでいるとすぐ寝てしまうとことか!ギャー!ロロ〜!

■ロロファンでよかった…と鼻血を拭いつつ。ゆんちゃんありがちょー!

02/08/23

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