夢を促す、きみのこえ |
presented by yuka thanx so mach! |
…ドサッ、ガタっごろん! 男部屋のソファで寝ていたゾロの腹に何かが落ちてきた。 痛みは感じなかったが、珍しくゾロは目を覚ました。 「…んあ、なんだ?」 転がっているものに目をやると、それはチョッパーのようだ。 「おいチョッパー。大丈夫か?」 ハンモックから落ちたチョッパーは、きょとんとしていたかと思うと、ゾロと目が合った瞬間、大粒の涙をこぼした。 「どうした、どっか打ったのか?」 慌ててゾロは起き上がり、チョッパーを抱き起こす。 「うぁぁん…」トナカイはぐしぐしと鼻を啜り泣いている。 (ん、怪我はしてねぇな。) ゾロはチョッパーの様子を確認しながら、ハンモックで寝ているルフィとウソップを見やる。 2人はぐっすり眠っていて、起きる気配もない。…そういや、昼間甲板を駆け回ってたな。 (ったく、こいつらは。チョッパー泣いてんのくらいは気づけ…) 「えぐっ…ぐすっ…うぇ…ひっく」 「チョッパー。どうして泣いてんだ?怖い夢でも見たか? …そんなら、話してみろよ。そうすりゃバク、っていう奴が喰ってくれるらしいぞ。」 「ほ、ホントか?ゾロ。ばく、ってなんだ?夢を喰うのか?」 「あぁ。本当だ。バクは夢を喰う生き物だ。昔くいながそう言ってたからな。」 ゾロは自信たっぷりに頷く。バク、に興味引かれてか、チョッパーの涙は止まった。 (ふぅ。何にしても泣かれたままじゃ、どうしていいかわかんねぇからな。) 少し安心したゾロは、抱えていたチョッパーをソファに座らせた。 チョッパーがおずおずと話し出す。 「あのな、ゾロ。今、皆が・・・おれを置いてっちゃう夢みたんだ。 ジャンプしたらまだ船に乗れそうだったから、急いで飛力強化したんだけど… もう少し、のとこで海に落ちて。沈んじゃう…ってとき、目が覚めた」 「あぁ、そりゃ夢だな。おれたちがお前置いていなくなるわけねぇじゃねぇか。」 「だって…すごくホントのことみたいだったんだ。皆背を向けてこっち見てくれなかった…」 「大丈夫だ。心配するな。お前を置き去りにする奴はこの船にはいねぇし、 おれが置いていかねぇ。約束する。 それにバクの奴が今の夢喰っちまったから、安心していいぞ」 「うん…でも…」 チョッパーはまだ不安が拭いきれない様子で、ゾロを見上げた。 「しょうがねぇな。添い寝してやるから、もう寝ろ。な?」 「うん!ありがとうゾロ!」 ぱぁっと笑顔を浮かべたチョッパーは、いそいそとハンモックから毛布と枕を運んできて、ころんと床に転がった。 ゾロはチョッパーの横に寝そべって、ぽんぽんと優しく毛布をたたいてやる。 …何か低い声が聞こえる。ささやくようなそれは暖かく響く子守り歌。 まるで赤ちゃんを寝かしつけるみたいだ、おれもうおっきぃのに。 とチョッパーは思ったけれど。 毛布とゾロがあんまり暖かくて、だんだん目蓋が重くなって――― 「お、眠ったか?」 大きなあくびをしつつ、ゾロはチョッパーが眠ったのを確かめた。 「…んで、何でお前はソコに突っ立ってんだ、クソコック。」 キッチンから戻ってきたサンジが、拗ねた顔をしてゾロを見ていた。 「ずりぃ。チョッパーにだけ添い寝〜?おれさまにもしやがれ、コラ!」 だいぶ顔が赤くなっていて、足元もふらついている。 (何だ…酔ってやがるのか?) サンジもゾロの側に寝そべると、舌ったるい口調でわめいた。 「ロロぉ。毛布掛けて〜。おれにもぽんぽん、てしろ?ほらぁ早く〜」 「おい、せっかく寝たチョッパーが起きるだろうが」 こうなったコックには何を言っても通用しない。…や、普段も同じか。 (…コイツ明日絶対斬る) 額に青筋を浮かべながら耐え、毛布を持ってきて、掛けてやる。 サンジはにへら〜と表情を崩して、既にすやすやと寝息を立てていた。 (ぷっ。…かわいいトコもあるんだな) 気が抜けたゾロは、ぽんぽん、とサンジをたたくと、「くぁ」と大あくびした。 (ま、たまにゃいいか。) 二人を抱え、チョッパーとサンジの体温を感じながらゾロも眠った。 ―――翌朝、怒ったサンジがゾロを蹴り起こすまで。 |
■ゾロチョと見せかけてゾロサン。ほのぼのテイスティなお話しは癒されますv ■ゾロサン作家さまを発掘すると自分が褒められたような気になります。(コラ) ■ユカさんはチャットでお話ししてくださる貴重なゾロサン友達で、シキの脅迫めいためくるめく甘いお誘いに、ノベルを書くことをチャレンジしてくださいました。 ■つまり、小説初チャレンジ。す、すっげ〜!みんなすっげ〜! ■ユカさん、シキのわがままにお答えくださり、ありがとうございました! ■あと変なタイトルつけてすいませんでした!(泣) 03/02/17 |
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