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悪夢


「おう、クソ剣士!てめぇにちょっと話しがあるんだけどよッ」
 そう、昼寝していたゾロに声を(踵落し&蹴り上げを)かけたのは、エラそうな態度の自称世界一のラブコック(?)サンジだった。
「〜〜〜〜〜?オレの安眠を妨げるほどの話たぁどういうこった?――下らなかったら即ぶった斬るからなァ…」
「たいしたことじゃねぇわけねぇだろうが、マリモ剣士!てめぇこそちゃんと聞かずに寝くさったらオロスからな!!」
 と言って蹴り。
 あんまり聞きたくなさげだけど、またこのアホコックが騒ぎ出したらうるさくて仕方がないとばかりに、しぶしぶ上体を起こして一つ伸び。
「〜〜〜〜だったらさっさと喋ってくれよ、オレァ眠いんだよ」
 このあと、ゾロは眠さもふっとぶ言葉を聞くことになる。

「ショージキに答えろよ…?」
「ああわかった。…面倒くせェから早くしろ」

「オレってかわいいか?」



「……」
「……」

「……」
「……」


 天気がいいと、誰でも外でお昼寝したくなります。
 その気持ちがいいところを、不快な言葉でジャマされると、とても腹が立ちますね。

「冗談は…存在だけに、しろ」と、目を逸らす。
 あまりの気持ち悪さに胸が悪くなったらしい。
 想像力は人並みだが、本人目の前にしたらその想像力も補強される。
 ゾロの胸が悪くなるのも当然である。

「ジョーダンじゃねぇっつの!!本気で言ってんだ、オレは、か・わ・い・い・か?」
 最後なんてちょこっと首を傾げちゃったりして。
 しかし如何せん顔はメンチきってる状態と変わらないので、恐ろしくて仕方がない。
「……てめぇいっぺんチョッパーに診察してもらえ…」
 あきれてものが言えないゾロは、やっとの思いでそれだけ喉から搾り出した。
 その答えに不満だったのか、サンジは寝っ転がっているゾロの足を蹴飛ばした。
「答えになってねぇよ!!かわいいかかわいくないか、答えろって言ってんだろ!?」
 げしげしと同じ箇所を何度も蹴りつけては、答えろ答えろとうるさい。
 凡人が蹴りつけてもゾロにとってはあまり痛くもないのだが、サンジの蹴りは普通じゃない。
 今も小さくゾロの足を蹴飛ばしたりしているが、それすらサッカー選手が渾身のシュートを放つ時の力と同じくらいのだ。
 そりゃ痛いってもんだ。
「いてぇ!つってんだろ!!」
「やめてやるから答えろ、クソマリモっち!!」
 …マリモっち?
 それはともかく、ゾロはうるさいし痛いし眠いしで、面倒くさそうに言い捨てた。
「かわいくねぇよ!」
「!」
「馬鹿じゃねぇか?男の分際でかわいいだのなんだの…。かわいいっつうのは…そうだな、チョッパーみたいな小動物っていうのか?…トナカイは小動物じゃないけど…のが一般的にかわいいっていうんじゃないのか?あれはマスコット的なモンがあるとは思うがな。決しててめぇみたいなのはかわいいとはいわねぇ」
 用はすんだろ、とでも言いたげにゾロは手を振って再びごろりと寝転がった。
 そのまま寝込もうとするが、背後にいるはずのサンジの気配が一向に去らない。
 不思議に思ったが、無視してそのままにする。
 だが、眠りに落ちそうになったゾロは痙攣しそうなほど嫌な言葉を聞く。

「――そうか…今のオレじゃかわいくねぇのか。うーん…こりゃやっぱりナミさんやビビちゃんに御教授いただいたほうがいいかもしれねぇな。さっきの首の傾げ方がなってなかったんだろうか…こう…かな?それと言い方かな。『ゾロ〜ン♪オレってかわいい〜?』これかな」
 サ――っと血の気が下がってゾロの全身に汗が浮いた。

(なんだこれは、なんだこれは、なんだこれは!!)

「それにしても…なんだってオレァこんなクソ剣士なんか…。うぉ〜〜〜〜!神様女神様!!オレはどうしてこんなやつに惚れちゃったんですか!?ムゴすぎます!!気づいたらこいつのことばっかり蹴っ飛ばしたくて仕方なくなってましたッ!くあ――――!ナミさん曰く『それは恋ね』とか言うのでオレはそれで自覚しやがりました!」

(そりゃ勘違いだッ!!)

 ごつ、とどこか船体を蹴りつける音が聞こえてきたかと思うと、また再びサンジの独り言が炸裂した。

「『恋する乙女はかわいくなくっちゃね』というナミさんの言葉…たしかに乙女はかわいくなくちゃいけねぇ…だからオレは努力してナミさんやビビちゃんみたいにかわいく振舞ってみたのに!このアホマリモは全然気づかねぇ…。この仕打ち、どうしてくれましょう!!」

(ナミのやつ――――ッ!!)

 ガンガンと船体を蹴る音も盛大になり、ゾロはそれにつれて顔色がとことん悪くなってきた。
 熱くもないのに汗が止まらず、血の気も引いて寒いくらいだ。
 しかし、今起きたらなぜかとんでもなく嫌な目に合いそうな気がして、ゾロはなさけないことだがそのまま寝たふりをすることに決めた。
「…しかたねぇな…しかたねぇ…」
 蹴りつける音も静かになり、満足したであろうサンジの静かな声が聞こえた。
「―――――チョッパーん所行くか…」
(ナニィ―――――ッ!?!)
 ゾロは驚愕した。
(まさかあの野郎…まさか…)
 マスコット的かわいさをチョッパーに教わる気か!!?!?!

 どすどすと床を踏みしめながら去っていく足音を寒くて仕方ない空気のまま聞いていた。
「あ、ふふふ、そ―――――だ!」
 妙に浮かれた感の声が聞こえたと思ったら、重いわけでもない身体にもかかわらず盛大な音を立ててまたこちらへやってきた。
(なんなんだよ!)
 震えそうになる身体を必死で押さえて、じっとしていた。
 すると頭の上に屈まれる気配があってのちに…
「ゾォロォ〜♪オレ、もっとかわいくなって帰ってくるな♪」
 そんな呪いの言葉を吐きかけられた。

 サンジが去ってしばらく動けなかったゾロは、やっと起き上がったのはそれから更に15分は丸々経っていたころ。
 誰と闘ってたとしても、これほど疲労はしなかっただろう。
 すっかり血の気の引いた顔で、ゾロはつぶやいた。

「―――新手の嫌がらせか……?」


 サンジから(気色悪い)愛の告白を受け
 気味の悪い想像までさせられて
 しかもこれからまた、新手の小動物(?)アタックが加わる。

 新たな敵の出現に、ゾロは打ち勝てるのであろうか!!(笑)

 待て次号!!(続きません)

■ていうか続くだろ?(笑顔)
■マイエンジェルより素敵なゾロサンSSをいただきました!やったね!失敗してるよ?!サンジィ!!すっごい失敗ぷりだよサンジィ!!
■てかマスコット的可愛さは無理だろ?(笑顔)
■そんなツッコミをしたくなりつつ、ゾロの胸中を察しつつも御無事で、としか笑顔でいいようのないこのアホいノリがあたし好きです。(饒舌)

■誼ちゃんありがとう。だから問答無用でワンピコンテンツさっさと作れ。そしてゾロサンやれ。(命令形)
■あー。笑った笑った。私も頑張りマス。オッス!!

02/05/11

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